探し求めた理想の電動車いすが
行動範囲も楽しみも広げてくれた
電動車椅子歴15年|松山さま
希望に合った電動車いすを求めて
私は、10歳の頃から体の具合が徐々に悪化し、22歳の時に歩くことが困難になりました。また、手も不自由だったため手動の車いすを動かすのが大変になり、電動車いすを検討することにしました。
私は車いすに乗っていると、体が前方へ倒れていってしまい、自分で体勢を建て直すのに苦労するため、ティルト・リクライニング式の電動車いすを探していました。しかし、当時は数も少なく、見つけても重くて自宅に入れられないなど、悩みを抱えていました。
そんな時に、電動車いすユーザーの方に紹介してもらったのが今仙技研さんでした。すぐに相談したところ、軽量で必要な機能を備えた電動車いすを実現してくれたのです。
外出のストレスが軽減し、買い物も楽しみに
新しい電動車いすが来てからは、生活が一変しました。ティルト・リクライニング機能のおかげで、体勢が崩れた際も体を戻しやすく、長時間乗っていることができます。さらに、足を乗せる部分が電動で上がってむくみを防止できたり、背もたれに入れたクッションが体を支えてくれたりと、快適性も高まりました。
何よりありがたかったのは、本体重量を50kgほどに抑えてもらえたこと。これまではバスや福祉タクシーに乗る際に、運転手さんに重い車いすを乗せてもらうのが申し訳なく、介助を頼みづらかったのですが、軽量化されたことで声をかけやすくなりました。横幅も50㎝とコンパクトなので、介助犬を連れながらでも店の中を移動しやすくなり、行動範囲も広がっています。
在宅勤務で福祉に関わる仕事に従事
私は福祉大学を卒業し、その知識をいかして福祉の仕事に関わりたいと思っていましたが、車いす生活でできる仕事になかなか出会うことができませんでした。しかし、現在は友人の紹介を受けて、在宅勤務で介護や障がい者支援、保育などの施設運営を支援する会社の事務をしています。
この会社には、私以外にも重度の障がいをもつ従業員が多く所属。それぞれ通院やヘルパー訪問などの時間に合わせて働いています。私も毎日、介助犬の散歩をするため、昼間に2時間の休憩をもらっているのですが、今仙技研さんの電動車いすにしてからは、散歩にもスムーズに出られ、休憩時間内に無理なく帰ってくることができています。
介助犬を知ってもらう啓発活動
介助犬に関わってから10年以上、福祉機器の展示会などで行われる介助犬の啓発活動に参加しています。活動は日本各地で行われ、長時間電動車いすに乗って遠出ができるようになってからは、全国を飛び回っています。
また、私が住む各務原市内の小学校でも、福祉教育の一環で講演会を行っています。子どもたちの中には、車いすに興味をもってくれる子もいて、「同じ各務原市にある今仙技研さんという会社でつくっているんだよ」と伝えると、「知らなかった!」と目を輝かせます。こうしたことがきっかけで、障がいをもつ人が困っていた時に声をかけてくれたり、将来、福祉の仕事が選択肢の1つになったりしたら、うれしいなと思います。
この電動車いすで陸上大会に出場したい
今の目標は、以前に続けていた陸上の大会にこの電動車いすで参加することです。私は体を動かすことが好きで、電動車いすを使った「スラローム競技」と「ビーンバッグ投げ」という競技に取り組んでいます。コロナ禍によって大会は中止されてしまいましたが、再開した際にはせび出場したいと思っており、今後はボッチャにも挑戦していきたいと思っております。
本当に必要な人が使えるよう、思いやりを
電動車いすのおかげで外出の負担は軽減しましたが、車いすユーザーにとってエレベーターやバリアフリートイレの待ち時間が長かったり、車いす対応の広い駐車場が空いていなかったりすることが、外出中の大きなストレスになります。私は、各務原市役所の庁舎が建て替えられる際、エレベーターやトイレ、駐車場に対する意見を伝えたところ、その声が受け入れられて、車いす用のトイレや駐車スペースを設けてもらいました。一般の方にとってもこうしたスペースは便利だと思いますが、本当に必要としている人がいることを考えて、使用していただきたいと思います。